「冬樹殿っ、冬樹殿っ!」
「あぁっ、顔出しちゃダメだってば軍曹!」
「ほらあそこ、サクラでありますよっ」
「え? ……わぁホントだ! もうそんな季節かぁ」
「今年もお花見の場所取りは我輩達にお任せであります!」
「あはは。無理しないでよ軍曹」
「去年は後れを取ったでありますが、今年はそう簡単にはやられはせん!であります」
何やら雪辱に燃えているらしい宇宙人に少年は微笑んだ。
いつもどこか抜けているこの愛すべき宇宙人の、目論み通りに行くかどうかは別として。
「またみんなで見ようね」
「ゲロッ。勿の論であります!」

(2009.04.02)